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■第三回お香を聞く会 ご報告■

第三回のテーマ:伏籠(ふせご)、菊花香

 

香炉を作っているところ

 

湯河原の万葉荘で11月12日(金)第3回お香を聞く会が開催されました。午前11時から平安時代の着物にお香を焚きしめる様子を蘇らせた、この流派のみのお手前である伏籠(ふせご)をご覧いただきました。お昼は素敵な器に入った「千歳」膳。午後は季節に合わせて「菊花香」。みなさんに香りを当てることに挑戦していただきました。「菊花香」は古今集から菊に関する四つの和歌をテーマに、「月」「霜」「露」と名のついた香りを三つ試しに聞いていただきます。そして、いよいよ、当てるお香が二つ出てきます。一つ目は「月」「霜」「露」のいずれか、またはまったく違う香り(これをウと言います)か、その四つのうちのどれかなのです。「月」と同じ香りだったとしましょう。そうすると次に出て来るのはウなのです。でも、最初にウが出て来ることもあります。似たような香りもあり、なかなか当てるのは難しいですが、今回は3人の方が当たりでした。参加者のお答えを記録に残しますが、当たりの方は「秋菊有佳色」という詞書が付きます。今回は14名様までの記録だったので、お一人だけが「秋菊有佳色」となりました。「菊花香」で引用された古今集の菊の歌のひとつは百人一首にも入っている凡河内躬恒(おうしこうちのみつね)の歌でした。


伏籠を広げたところ



伏籠手前
(二人で合わせて行います)


●心あてに折らばや折らむ初霜の おきまどわせる白菊の花

お香を聞いた後は抹茶を飲んでいただき(お茶菓子は菊)、本日の記念として、万緑窯で作られた小皿(これも菊)をお持ち帰りいただきました。

それでは参加されたみなさんの感想をご紹介いたします。

■第三回お香を聞く会に参加して

急なお誘いを受け、一も二もなく、友人三人と出かけた。内心不安いっぱい…、共にそれをはねのけるオバサンパワーも持ち…。一歩「万葉荘」に入ると、暖かな空気があり、心遣いがいっぱいあって、これからの緊張をほぐしてくれた。

第一部の「伏籠」、お香のかすかな香りと共にお作法、お手前は厳かに、能の世界を思わせるかのようと思いきや、着物は宙に舞い、晴れ着の華やかさ、それも束の間、取り戻された静かさは源氏の絵巻きを誘う、うっとり…。

昼食、これも一目、エッ、素敵な器、何が入っているんだろうとワクワク、開けてびっくり、びっしり、こんなに食べられないなぁと思う程、気合いが詰まっていた。友人一人は完食、今度はタッパー持って来ようと言いながら…降参。

第二部、和歌、漢詩で始まる。古ぼけてきた頭の中は素通り、昔、このリズム好きだったのに。いよいよ、香を聞く。何となく心地よい。「月」「霜」「露」とはっきりとお隣りに言葉送り、この香り覚えなきゃと思うのに、スーと流れてゆく。香を聞く、鼻が聞く、嗅ぐ、匂う、香る、鼻だけの問題じゃないんだろうなと思いつつ、お話しの一つ一つは面白く、カタカナで記す「ウ」は「客」のウ冠りの略だと話された時、学びだけでなく、遊びの楽しさ感じました。

帰り道、車窓から垣間見える海と空の一体感、湯河原まで足を運ぶ良さをしみじみ覚え、我が家から乗っている時間は一時間。東京までも一時間、誰しもこの開放感を味わったら、湯河原がとても身近く大事な場所となると思う。ハードルの高さを感じさせず、雅の世界へ導いてくださった高木先生始め、諸先生方に感謝申し上げます。当日は、とても入手の難しいお香まで聞かせて頂いて、一生に一度の貴重な体験で、本当に良いとこ取りの楽しい一日でした。この話をあちこちでしますと、是非この次参加したい、と言う若葉マークがおります。今後も続けて頂けましたら嬉しいです。

追伸、お菓子にお抹茶もとても美味でした。至れり尽くせりでした。(HM)


「千歳」膳




「菊花香」の始まり




香元[右]と文台[左]

この流派にしかないという「伏籠」のお手前。かつて高校時代に、古文の授業で習ったことを思い出しました。それは、源氏物語の中で登場したのです。かの時代の文化、所作をひょんなご縁から目の当たりにすることができる…。大きな期待感を胸に、東海道線に揺られ、湯河原へ降り立ちました。実際のお手前は、ダイナミックで鮮やかな力技。それを涼やかなお顔でエレガントにこなす師範に、私は目を奪われぐんぐんと世界へ引き込まれたように思います。

お香と聞いて印象的なのは、織田信長公が皇族のみが保持していたという伝説的なお香を削り取ったエピソード。会場に漂う高貴な香りに、信長とつながった錯覚を覚えました。

車窓からの穏やかな景色と、久々の正座と、全身で感じたお香と…。我が内に眠る和の心と研ぎ澄まされた五感が、ゆっくりと目覚め、古の文化と邂逅する…。そんな優雅なひと時でした。(NO)


香席の様子




お香を聞いている様子

山々が色づきはじめた湯河原で「お香を聞く会」に参加しました。

午前中の「伏籠」は大変珍しく、高木先生のわかりやすいご説明の後、琴の調べのなか優雅なお手前により着物に香「黒方」がたちこめこめられていきました。遠い平安貴族の時代に思いをはせておりました。

秋の風情の器にもられたおいしい昼食の後、午後は組香「菊花香」に参加しました。みごとなお手前で作りあげられていく香炉の中の景色の美しさと、言葉に表せないほどいい香りに胸をうたれ、〝香を当てるゲーム〟に楽しく時が流れていきました。残念ながらいい香りというだけで香を当てることはできませんでした。

一日をとおして日本文化のすばらしさを思い、決して忘れることなく将来に伝えていくものだと思いました。楽しい一日でした。(MK)


すべてのお香が出ました




当たった人に渡された記録紙


伏籠の後ろで瑞香師範を囲んで

次回、第四回お香を聞く会は、地震の影響により日程を延期いたしました。

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